とにかく残念な自動販売機

こんにちは! 吉田です!

先日のこと。

ちょっと羽を伸ばして
東京→長野まで
日帰りで行ってきたのですが..

その道中の
パーキングエリアで
ちょっと残念な自販機を
見つけてしまいました。

(この前の看板といい、吉田に運があるのか、
それとも世の中に多いのか。。。。)

それがこちら。
↓↓

んんんんん…

まあ….うん、
メリハリは悪くないんだけど
ちょっと全体的に色とか装飾が….

…と、
色々思うところはあるのですが
「とりあえず落ち着け」と
言いたくなりますね。笑

たぶん

「冷たいのと暖かいの
どっちも提供できる」

を、「世界初」と一緒に
アピールしたかったんだろうな。。。

…と、
やりたかったことの意図は
わかるのですが

肝心のデザインが
てんこ盛りすぎて
近所のお祭りみたいになってる。。笑

ちょっともったいない。。

ちなみに、
引きで撮ると
こんな感じ。

1枚目の写真は
自動販売機の上にある
ラミネートなのですが

このラミネートの
本来の目的の1つは

「え、世界初なの?」

と、遠目から見た人の
「注意を引きつけること」が目的。

それは十分に達成していました。

ただ同時に
最終的な目的は

「美味いコーヒー飲みたいなあ…」

という需要を掘り起こして
買ってもらうこと。

なので、
ラミネートの掲載写真も
商品画像ではなく

たとえば

・紙フィルターの中の挽き立ての豆に
熱々のお湯がゆっくり注がれてる

とか

・氷に熱々のコーヒーが注がれて
急速に溶けてる

とか、
シズル感があって
自分でコーヒーを挽くような人が
心に思い描くような絵だったら…

「あの味が、香りが
今楽しめるかもしれない」

と、もっと
「今飲みたい」という需要を掘り起こしつつ
さらにこの自販機の強みを活かせたのでは…。

と、ちょっと惜しいんですよね。

実際、
この自販機には
ライブクッキングのカメラが
設置されているんです。

(注文がないときは
「挽いたコーヒーは何が違うのか」という趣旨の
顧客教育動画が流れてました。笑)

ここまでちゃんと
シズル感を演出する用意を
しているなら….

と、余計ラミネートが悔やまれます。汗

そして最後にもう1つ、
忘れてはならないのが
ラミネートによって失われている
この自動販売機のブランディングです。

そもそも
1杯1杯挽くような販売機って
単にコーヒーを注ぐだけの
自販機よりもコストがかかります。

事実、
この販売機の価格は
だいたい250円~350円。

どう考えても
普通の自販機より
べらぼうに高いわけです。汗

でも、それをあえて

「1杯1杯ミル挽き」

という見せ方で
競合と差別化して、
リッチなコーヒーを提供しているのに…

デザインが
それに見合ってなかったら

たとえ商品そのものは
価値に見合ったものを提供していても
その価値をうまく伝えられないわけです。

ブランド屋さん行って
10万円のバッグを買ったのに
スーパーの袋で品物を渡されたら
がっかりしませんか?

というか、たぶん
Google Mapの口コミとTwitterが
大変なことになりますよね。笑

極端な例ですが、
デザインが商品のブランディングに
見合っていないというのは
そういうことです。

商品自体の価値が変わったわけでも
商品が安いものに
すり替えられていたわけでもない。

でも、それがたかが
ショッピングバック1つ…

スーパーの袋なのか
ブランドのロゴ入りの紙袋なのかで
体感する価値がまったく違うわけです。

今回の自販機も
ラミネートのデザイン1つで

「手間暇かけたリッチで
美味しいミル挽きコーヒー」

というブランディングが
失われてしまっているのが

個人的に一番
「もったいないなあ。。。」と
思う点でした。

(自販機のボタン周りに
赤・青・緑の蛍光色のガムテがめっちゃ
貼ってあるのも気になりましたが・・・)

・・

コンビニがない
パーキングエリアだったのもあり

個人的にコピーは結構刺さって

「1杯ごとに豆を挽いてくれるんだー」

「出先だしちょうど美味しい
アイスコーヒー飲みたかったんだよねー」

と、まあまあ
気になったので
購入はしたのですが

デザインに
気を取られすぎたのもあり

結局間違えて
ホットを買ってしまい
飲むのに苦労しました。。。

デザイン1つで
伝わる価値って
0にも100にも変わるので
ぜひ気をつけていきましょう。

では!

吉田

p.s.

この自販機の「世界初」、
業界的にはすごいのかもしれないけど

一般人にとっては
どうすごいのかよくわからんし
もっと背景とベネフィット語らないと
価値にはならないだろうなあ。。。

と、帰り道に
ぼやぼや考えました。

同じことは
僕らにも言えて、

デザイナーからすれば
当たり前だけど

実は一般の人じゃ
何の価値があるのか説明されないと
さっぱりわからない専門性や
当たり前すぎて見落としたり
伝わってない価値があるかもしれません。

最近は
プロセスエコノミーも
だいぶ主流になってきていて

ライブクッキングや
クラウドファンディングなど

過程を共有するだけでも
体験価値に変わります。

(キンコンの西野さんがやった
プペルもこれですね)

たとえば飲食店なら
「仕入れ」なんて業界はおろか、
一般的にも当たり前だと思われてますが

その当たり前の「仕入れ」に対する

・「こだわり」や「苦労」を伝えること

・なぜそんなことをしているのか、
という背景ストーリーを伝えること

などなど、これだけでも
相手の受け取る価値はかなり変わります。

見つけたら
伝える努力をするだけで
他とは違う価値になりますよ。

では!

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投稿者プロフィール

吉田 祥太
吉田 祥太
フロントエンジニア出身の叩き上げセールスデザイナー
セールスデザイナーとしては5年目。

ノンデザイナー出身でめちゃめちゃ苦労した経験から、
感覚的になりやすいデザインの指導を
理論的かつ再現性ある形で伝えることをモットーにしている。

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